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10月29日〜11月4日ラムサール条約COP10で「水田決議」採択される

COP10で日韓政府が提案した「水田決議」が採択されました

 10/28〜11/4 韓国チャンウォン(昌原)市で開催されたラムサール条約第10回締約国会議(COP10)では、化女沼(宮城)・大山上池下池(山形)・瓢湖(新潟)・久米島の渓流と湿地(沖縄)が登録され、日本の登録湿地は37ヶ所になりました。また、琵琶湖の登録湿地面積が拡大されました。
 COP10の32個の決議の中で特記すべきは、「湿地システムとしての水田における生物多様性の向上」=「水田決議」です。これは、2005年のウガンダCOP9で「蕪栗沼・周辺水田」が登録湿地となったのを契機に、湿地としての水田に注目した日本と韓国の政府・NGOが協力して調査し、協議を重ね、世界各国各界に発信し、案を練り上げ、日韓政府が共同提案したものです。
 この決議によって、東アジアのモンスーン気候帯広大な面積を占める水田が、米を生産する農地であるとともに地下水涵養・洪水調節・気候緩和・水質浄化などの機能を有し、水鳥をはじめとする多様な生物の生息地を提供してきたことが確認されました。水田稲作は、湿地の賢明な利用の代表的な事例であること、しかし、農薬・化学肥料を多用する近代化によって、環境を損ない生物多様性を失う危険性があることが指摘され、締約国会議は、締約国に対して「生産性及び地域社会の利益を考慮しつつ、生態系を維持し高めていく農法や水管理を普及啓発していくこと」を奨励しました。

 参考 2008年8月第3回日韓田んぼの生き物調査交流会(阿賀野市) 
     呉地正行氏(日本雁を保護する会)の記念講演から
 日本では過去百年間に湿地の61%が消滅し、蕪栗沼のある宮城県では92%が失われた。失われた湿池の多くは水田となり、20世紀後半には土木技術の発達により多くの水田が水はけの良い乾田になった。水気のある湿地は、水辺の生物の住みかとして大切な役割を果たしてきたが、乾田化されたことによりトキやコウノトリを絶滅に追いやり、冬期に渡来するガンやハクチョウの生息地の集中化を生み出した。
 1998年蕪栗沼周辺では、隣接する白鳥地区水田を関係者が合意して沼に復元し、さらに周辺の農家の協力を得て冬期に水田に水を張る「ふゆみずたんぼ」に取り組んだ。これは、水鳥の生息地の拡大ばかりでなく、水鳥の糞という絶好の肥料を農家にもたらした。農法を変えることが付加価値の高い米の生産につながったのである。
 水田は、稲作文化圏のアジアの大きな湿地である。そこにおける生物多様性を維持することは、農業のひいては食の健全化につながる。アジアの水田の価値を再認識しよう。

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